越ヶ谷秋まつり

鳳輦(ほうれん)

鳳輦(ほうれん)

久伊豆神社の「鳳輦」(=神輿)は、一般にいわれる「おみこし」とは趣を異にします。かなり古い時代の様式の神輿で、担ぎ棒が二本棒の神輿です。

久伊豆神社の御祭神は、因幡の白兎の逸話にもありますように、大変慈悲深く争いを好まない大国主命ですので、鳳輦は揉むことなく厳かに慎み、粛々と進むものとされています。

最近では、見物客へのサービスもあり、鳳輦への奉納の浄財(=賽銭)が上がった時には、多少揉むのも慣例になってきました。

鳳輦の担ぎ手は、誰でも良いというわけではありません。
本来、「四丁野」(現在の宮本町)の「生え抜きの家の惣領」に限るとされています。

江戸時代には四丁野村の迎攝院(こうしょういん)は将軍から五石御朱印寺領を与えられており、また、住職が久伊豆神社の別当職を兼務していたことから、四丁野の氏子(=迎攝院の檀家)に与えられた特別待遇とされています。

山車(だし)

旧越ヶ谷の日光街道沿いの表町八ヶ町(本町1〜3丁目・中町・新石1〜3丁目・弥生町)から各1台、合計8台の山車の曳廻しが行われます。

越ヶ谷の山車の特徴は、車輪が3輪で取り回しが難しく、運行には職方(鳶)が重要な役割を果たします。
旋回をする時は4〜6人の職方が1輪の前輪を持ち上げながら気合を入れて勢いよく一気に回します。

山車の曳廻しは二日間で6回ですが、内2回「渡御・還御」の時だけは神様に従って、氏子総出で8台連なっての曳廻しになります。
他の4回は「らんびき」と言われ、本町側と新石側に別れて、各4台を連ねての曳廻しになります。

各山車の最上段には、上下可動式で人形が据え付けられています。
昔の山車は3層構造でかなり高さのあるものでしたが、電線などの架設に伴って7台が改装しました。

神武天皇(じんむてんのう)
新石壱/新石一丁目 神武天皇(じんむてんのう)
分類:二層人形上下枠固定型
車軸:3
囃子座:唐破風屋根
龍神(りゅうじん)
本町壱/本町一丁目 龍神(りゅうじん)
分類:二層人形上下枠固定型
車軸:3
囃子座:天満
鐘馗(しょうき)
新石弐/新石二丁目 鐘馗(しょうき)
分類:二層人形上下枠固定型
車軸:3
囃子座:天満
楠木正成(くすのきまさしげ)
本町弐/本町二丁目 楠木正成(くすのきまさしげ)
分類:二層人形上下枠固定型
車軸:3
囃子座:唐破風屋根
武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)
新石参/新石三丁目 武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)
分類:二層人形上下枠固定型
車軸:3
囃子座:天満
素戔鳴尊(すさのおのみこと )
本町参/本町三丁目 素戔鳴尊(すさのおのみこと )
分類:二層人形上下枠固定型
車軸:3
囃子座:天満
日本武尊(やまとたけるのみこと)
弥生町 日本武尊(やまとたけるのみこと)
分類:三層人形上下枠固定型
車軸:3
囃子座:天満
鐘馗(しょうき)
仲町/中町 鐘馗(しょうき)
分類:二層人形上下枠固定型
車軸:3
囃子座:天満

鳳輦と山車